« 私の教会 | トップページ | 黎明 »

2009年1月14日 (水)

鬼泪山 Kinada yama

Dsc00400_3

 去年の年末に鬼泪山の生き物観察ツアーへ参加した。鬼泪山とは、マザー牧場や神野寺(鹿野山)がある山のことだ。ツアー発起人は、ちば生物多様性県民会議の手塚さん。参加者は、いすみ郡市自然を守る会の大藪さんはじめ、その他山や海や動物、植物等々の専門家達だ。

 なぜ、わざわざ外房から内房へたった一つの山の為に大勢でのこのこ出かけていったかというと、山砂採取事業者と自民党県議が、国有林のある鬼泪山を山砂採取の為に丸ごと削り取ってしまおうという事業計画があり、早い話が、私達はその山砂採取計画に反対で、地元の人達との連携と鬼泪山周辺の動植物の観察をしに行ったわけだ。その採取跡は東京からの産業廃棄物の捨て場になる。 

 以前、大野県議に誘われて、

鬼泪山国有林の山砂採取事業着手のための土石採取対策審議会の開催に関して、堂本知事の慎重なる判断を求める要望書」

という長い名前の要望書に連名したことがある。http://kengi-blog.cocolog-nifty.com/kengogo/

 連名したものの、無責任にも登ったことも見たこともなかったので今回参加させてもらうことにした。 

 富津に入ってまず驚いたのは、外房に比べて水がなんと豊かできれいだということ。

 村の中の用水路に透明で冷たそうな水がじゃんじゃん流れている。さすがは山砂の町。土壌に浸透した雨水が地中の砂によってきれいに濾過されて地面から噴き出てくるのだ。上総堀り発祥の地でありながら、上総堀りがそれほど必要ではないように見えた。この辺の井戸は縦ではなく横に掘るという。

 地元の元町議さん達に案内してもらった。まず第一に釘を刺されたのは、地元でも賛成・反対が決めかねて揺れているので刺激するような言動は慎んでほしいということ。

 いつもと同じ構図がここにもある。

『自民党と癒着した地元企業、そこに生活を依存せざるを得ない従業員家族の「賛成」』

VS

『私達のように外部から来た自然保護活動家達の「反対」。』

 しかしながら、実態は、恩恵をこうむるのは、土建業者と産廃業者、大量の建築資材を必要とする東京都のみ。住民は一つ二つおにぎりを頂戴するだけに過ぎない。鬼泪山の自然の大切さは、他ならぬ地元住民が一番よく知っている。だが、例えば、高度経済成長期に、「農業では食えないが山砂は儲かるから」「返済は仕事しながらでいいから」と地元有力者に声を掛けられ、1000万円もの融資をしてもらい、それで大型ダンプを買ってしまったとしたら…。そして、子どもも大きくなり、お金もこれからどんどん掛かっていくのに、まだまだローンは残っている…。私がこのような状況にいれば、山の一つや二つの消滅など目をつぶってしまう。

 常に攻撃されるのは目に見える実行者だ。けれども、彼らこそが本当の被害者だ。

 アフリカではもっと露骨だ。ゴリラを守るため自然保護を謳う外国から来た白人達と、炭焼きで生計を立てているために木を切らざるを得ない地元の黒人達。どれもが、同じ被害者同士がいがみ合うように「設計」されている。いがみ合う被害者同士にも微妙な「階級差」があり、はるか高位のクソ溜にいる設計者が姿を見せることはない。

 具体的に、環境を守るためには、そこの農業や林業を守らなければいけない。ヨーロッパの国々の多くが環境を守るために農業を手厚く保護している。保護とはすなわち収入の半分近くを国庫から負担している。

 日本国政府にお金がないというの大嘘だ。日本は世界一外貨を持っている。人殺し予算(軍事費)も世界45位で、しかもそれはGDPの1%未満だという。「おもいやり予算」は誰に使ってる?少しは国民にも思いやりを持ってほしいものだ。

 私は、ただ一面的に自然・環境保護を訴えるだけではなく、農業・生産者重視の政策に転換するところまでもっていきたいと思う。

|

« 私の教会 | トップページ | 黎明 »

コメント

 なるほど、今度の事例も「資本主義」が生活圏=生命権を侵食する話だと思っていいのかもしれませんね。
 ところで「鬼泪山」って、なんと読むのですか?
――キルイザン?

投稿: 森下礼 | 2009年1月14日 (水) 14時24分

失礼しました。
キナダヤマでした。
タイトル変更しておきます。

前回の炭の補足ありがとうございました。
白炭は相当高度な技術なようですね。薪だけの火力でできるのでしょうか?
いすれは挑戦してみたいところです。
明日、成田に炭焼きに行きます。


投稿: takthefool | 2009年1月14日 (水) 20時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 私の教会 | トップページ | 黎明 »