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2014年8月

2014年8月16日 (土)

2014.8.8~10. 御宿牛舎8号パフォーマンスフェスティバル 

 何百年もの間、流砂に覆い隠された宇宙船に、一人の旅人がたどり着いた。

 彼はそこを砦とし、そこが宇宙船とも知らずに住みついた。

 旅の賢人が通りかかり、もの知らぬ彼に言葉を教えた。

「知者楽水」

「仁者楽山」

 知のある者は水を楽しみ、仁のある者は山を楽しむという。

    「では、お前は何を楽しむ?」

 と、賢人は問うた。

知もない、仁もない…、

私はただの愚か者…。

しばらく考えて、旅人は賢人にこたえた。

「愚者楽風…。」

 私は風を楽しもう。

 

 鉄の単管にギラギラと反射した灼熱の太陽。

その照り返しの檻の中に閉じ込められた私は、蝋人形のように溶けていく。

 生コンを打ち終え、旧牛舎の仕切りに使われていた6mの鉄管を外し、大型の切断機で寸法どおりに切る。高速で回転する砥石に、焼けた鉄粉が顔中に飛んできて目を焼いた。

 コンクリートの基礎にアンカーボルトを打ち込み、単管ベースを固定して、建物の骨格を組み立てる。

 クランプで垂木を等間隔に固定して屋根を張る工程となった。

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 長すぎるガルバリウムのトタン板をサンダーで切ろうとして、20cmほどの高さを枕に、寝かせておいたトタンをまたごうとした。

 あまりの暑さに、思った以上に足が上がらず、よろめいて、トタンの縁に足の甲を引っ掛けた。

     予想以上に大きくつまづいて、地面に放り投げられたグラインダーの砥石の刃が割れ飛んだ。 

 足の甲にズグッと痛みを感じた。

 見ると、皮膚がベロリとめくれて、うっすらと虹色の油脂が輝く赤い筋肉繊維が見えていた。

 一瞬の後に流れ出す真っ赤な血。

 猪を解体した時にも見たのと同じ、赤い血と筋肉。

 「同じ動物の証だ。」

 などと感傷に浸っている暇はない。

 慌てて、水道ホースを引っ張ってきて洗うと、水と血が半分ずつ混じって流れた。

 洗い終えると、打ち立てのコンクリートにぽたぽたと血が落ちる。

 なんとしてでも、87日までにシャワールームを完成させたかった。

 ガーゼと包帯でグルグル巻きにした足で、単管のてっぺんに登り、トタン板を打ちつけた。

 

  8月8~10日の間に行われた第1回御宿・牛舎8号パフォーマンス・フェスティバル。

 三雲いおりさんがフラッと牛舎8号に遊びに来てくれたことが全ての始まりだった。

 全国の大道芸人さん達が鶏卵牧場に集まり、牧場のそこかしこで芸を披露する。

 3日間、牧場全体をサーカスにしようというお祭りだ。

 月にプレ・イベントを行い、まだ寒い初春の空の下、大勢の人々に楽しんでもらうことができた。

 今回は、記念すべき第1回目。

 前回にくらべ、トイレも増設された。

 シャワー・ルームもなんとか間に合った。

 立看板も増設し、大勢のボランティアさんも名乗りを上げてくれた。

 が、このイベントを心待ちにしていたのは善良な老若男女だけではなかった…。

 秋のように輝く高い空を自在に風が駆けまわる。

 気持ちのいい海からの風。

 …と同時にテレビで報道されるWarning「台風」接近中!


 初日、金曜日。

 千葉の辺鄙な半島の、これまた人里離れた牧場に、大道芸人達が入場する。

 いにしえの時代、一年に一度の神無月(旧暦10月)、八百万(やおよろず)の神々が、出雲の大社様に集まったという。

 異形の神々は続々と現れては、一度は打ち捨てられた廃牛舎の神殿奥へと姿を隠す。

 

 Unpa

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 風屋ヴァンカラ

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 EntertainerHi2

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 おじゃるず

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 Kaja

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 プリコロハウス

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 サブリミット

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 クラウンおっとちゃん

 

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 hico2(ひこひこ)

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 ハードパンチャーしんのすけ

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 カナールペキノワ

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 ふくろこうじ

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 Syan

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 三雲いおり

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 初日のみ、台風の影響がほとんどなかったので、見晴らしポイントでのパフォーマンスが行われた。

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 そこには、一日早く入場したあわてんぼうの神が創った富士山のオブジェがあった。牧場の神様である浅間様へ敬意を表して。

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 初日が、平日だけに思ったより人の出が少なく心配していたが、2日目、3日目は、テレビの台風報道にも関わらず、多くのお客様が遊びに来てくださった。

 朝日新聞記者・稲田さんの動画


 2日目、大混乱の最中でも忘れちゃいけないてげテレ!

三雲いおりのてげテレ。過去放送分が見られます。

 

 そして、厨房にもいた食材と料理のパフォーマー達。

 

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 前日の仕込みから、イベント後日の片付けまで、南北戦争の軍医さながら、立ちっぱなしで作業の壮絶な5日間だった。

 それが

 

 「うまい!」

 の笑顔一つで酬われる。

 

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 一年に一度だけ、神々と人間の動線が重なる日。

 非日常の光景なのに、なぜか懐かしい。

 総天然色でありながら、残る記憶はセピア色。

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浅間様も下山して、月の沙漠の駱駝に変化された。

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 全てがこの3日間の為に捧げられて来たかのような日々があっという間に終わり、八百万の神々は、それぞれの国へと帰っていく。

 それを見送る、三雲いおり氏。

 

 彼がプロデューサーに徹した方がイベントはスムーズに進むかもしれない。

 けれども、一番初めに、大道芸人としての彼が、この場所を気に入ってくれたのだ。

 ここで、パフォーマンスをしたいと思ってくれたからこのイベントは実現したのだ。

 彼こそが、風を楽しむ愚者。

 と同時に、それを人々におしえることのできる賢者…

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 …と、勝手に思ってます!

 

 全ての始まりをつくってくださった村石社長、愚者であり賢者でもある三雲いおり氏、出演を快諾してくださった大勢のパフォーマーの皆様、ボランティアでお手伝いいただいた皆様、たけちゃんはじめ牧場のスタッフの皆様、ばすくん&ユッカ、チアゴ、マスターはじめ厨房をガッチリと支えてくれた仲間達、暑い中(また台風にもかかわらず)出店してくださった出店者の皆様、いつも支えてくれる生産者の皆様、協賛してくださった皆様と御宿町、稲田さんはじめ宣伝してくださったマスコミ関係の皆様、本当にありがとうございました。

 

 

 

 次回も…、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 大量の写真を消失してしまいましたので、パフォーマンスフェスティバル・ボランティアスタッフY様(一枚蛙)の写真を大量に使わせていただきました。ありがとうございました。

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