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2016年10月23日 (日)

忘れてはいけないこと

 虚空に浮かぶ月。

 マイナス270℃の宇宙。

 同じ虚空に私達も浮いている。

 

 虫の音が、まるで空間そのもののように私の周囲に糸を張る。

 二つの耳ではとらえきれないその音に、実は宇宙は満ちていて、私たちはがんじがらめになっている。

 もがけばもがくほど、その糸は絡まって、目を閉じて身をゆだねると、その糸は澄みわたる。

 

 大事なものは既にある。

 太陽の光が作り出した緑の結晶が命を生み、赤い血が土を耕す。

 誰もが順番を待っていて、そこには古いも新しいもなく、ただ延々と、本当の終わりの日まで繰り返される。

 

 宇宙が己を知るために、花開いた小さな触覚でありたい。

 宇宙が何を知りたいのか、 静かに問うことで、

 魂が救われるような気がする。

 

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